自分の脇が匂うと、もしかして自分はワキガなのではないかと心配になってしまいます。特に人と接の多い人にとっては、体臭に配慮は、エチケットの一つでもあります。
そんな人たちにとって、ワキガは大きな悩みとなります。ここでは、ワキガの原因やセルフチェックの方法、対策などについて紹介します。
ワキガのメカニズム
人間の汗は、汗腺と呼ばれる場所から分泌されます。この汗腺には、「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」と呼ばれる2種類の汗腺があり、アポクリン汗腺から分泌された汗が原因となって、独特のニオイが発生します。
アポクリン汗腺から分泌された汗は、エクリン汗腺から分泌された汗と違い、タンパク質などの有機酸が含まれています。その汗が分泌され皮膚に付くと、脇の下にいる皮膚の常在菌がそれらの分解を始め、分解された汗は、ワキガ独特のツンとしたニオイを発生させるのです。
ワキガの原因は?
ワキガのニオイのもとは、アポクリン汗腺からの汗であることがわかりましたが、アポクリン汗腺は多くの人にあるものなのに、ワキガを発症する人としない人がいるのはなぜでしょうか?
ワキガを発症する原因としては、「遺伝・ホルモンの作用・生活習慣の乱れ」の3つが考えられます。
遺伝
親がワキガである場合、その子どももワキガを発症する可能性があります。Moreover 、両親ともにワキガである場合は、その確率はより高くなります。また両親とものワキガである場合のその子どものワキガの発症は、遺伝的なものである可能性が認められます。
性ホルモンによる作用
アポクリン汗腺の働きは、性ホルモンの分泌によって活発化されます。実は、アポクリン汗腺は、生まれたばかりの赤ちゃんにも存在します。BUT 赤ちゃんの頃からワキガを発症しているという例は、ほとんど聞かないのもそのためです。
アポクリン汗腺は、性ホルモンによってその働きを活発にするため、性ホルモンが分泌される思春期前の子どもには、ほとんどワキガの発症はありません。逆に、妊娠や月経など、性ホルモンの影響を強く受ける女性は、普段はワキガの症状がなくても、それらの時期にワキガの症状が現れることもあります。
生活習慣の乱れ
世界的に見ると、魚や野菜中心の生活をしてきたアジア人よりも、肉食中心であった欧米人のほうが、アポクリン汗腺が活発に働いている傾向にあると言われています。
In short 肉を中心とした偏った食生活をおくっていたり、暴飲暴食や喫煙、過度のストレスなどにより、乱れた生活習慣をおくったりも、ワキガの原因となるのです。
ワキガのセルフチェック
耳垢が溶けたキャラメルのようになっている
耳の中(外耳道)にもアポクリン汗腺はありますが、エクリン汗腺がありません。In short 耳垢が湿っていたり、溶けたキャラメルのようになっている場合、アポクリン汗腺から分泌された汗による可能性が高くなります。
ただ、耳垢の原型があり湿っているだけの場合は、他の要因も考えられるので、その場合はワキガでない可能性もありますが、ドロッと溶けたような茶色をした耳垢の場合は、要注意です。
衣類の脇部分が黄ばんでいる
汗ジミによって洋服が黄ばんでしまうこともありますが、アポクリン汗腺からの汗の場合、タンパク質や糖質、アンモニアなどの物質を含んでいるため、黄土色のような濃い黄ばみになります。
脇毛が多い
アポクリン汗腺は、毛が生えている部分(毛包内)にだけあり、その数は、毛量と関係してくると言われています。そのため、脇毛が多い人は、ワキガである可能性が高くなります。
肉中心(高カロリー、高脂肪)の生活をしている
高カロリーで高脂肪の食事を中心とした生活を続けていると、皮下脂肪が付きやすく、その脂肪によって、アポクリン汗腺の活動が促され、ワキガを発症しやすくなります。
ワキガの対策方法は?
ワキガの対策方法として、次の5つが挙げられます。
日頃の生活の中で、手軽に行える対策が結構あります。
1.身体を清潔にする
ワキガの原因は、アポクリン汗腺からの汗によるものです。ですから、脇を衛生的に保つことは、ワキガ対策の基本となります。
ニオイの原因となる脇汗をシャワーなどで洗い流し清潔に保ちましょう。また、湯船に浸かることで、より清潔に保つことができます。
この時、重曹やお酢を入れると、よりワキガ対策ができます。重曹の場合は200リットルのお湯に大さじ3杯を目安に入れます。
お酢は、お酢に含まれるクエン酸による対策で、200リットルのお湯に対してお酢を200ml入れます。ただし、重曹とお酢を一緒に湯船に入れると、危険が伴うので決して一緒に使用しないでくださいね。
2.食生活を見直す
食べ物の中には、アポクリン汗腺の働きを活発にするものとその働きを抑えるものがあります。
活性化してしまう食べ物には、「肉類・乳製品・油分の多い食事」があり、匂いを抑える食べ物には「アルカリ性の食品(梅干しやめかぶなど)・緑茶」があります。
肉や揚げ物などの脂っこい食べ物中心の生活をしていた人は、それらを少し制限し、代わりにアルカリ性の食品を取り入れることで、ニオイを抑えることができます。ただし、肉や油分を全く摂らないと、食生活に偏りがでて健康面で悪影響を及ぼす可能性もあるので、バランスよく摂取するようにしましょう。
3.脇毛の処理
脇毛があると蒸れてしまい、その中で常在菌が繁殖し活発に活動してしまうため、ニオイを強くしてしまうことがあります。可能であれば、年中脇毛の処理をするようにしてください。
この他にも、汗をかいた時には、こまめに衣類を着替えたり、通気性の良い素材の服を着ることも対策としては良いでしょう。
3.ワキガケア商品を使う
最近では、ワキガ対策に特化した商品が多く流通しています。クリームや制汗剤、汗ふきシートや脇汗パットなど、その種類も様々です。それらを使うことで、汗の分泌を抑えたり殺菌の繁殖を抑えたりでいます。
4.医療機関を利用する
医療機関で、ワキガを診断、治療ができます。医療機関を利用した場合は、内服薬や注射によって汗を抑えたり、手術によってアポクリン汗腺を除去したりができます。
まとめ
自分がワキガなのではないかと、一度気になってしまうと、その思いからなかなか抜け出せなくなってしまいます。
一度冷静になってセルフチェックを行い、ワキガである可能性が高くなった場合には、生活習慣を見直し、対策を行ったりワキガの対策商品を使ってケアしましょう。それだけBUT 十分に効果は見られるはずです。