中古マンションを買う人は、事前に「内覧」をができます。
内覧とは、実際に物件を下見を言い、外側からだけではなく部屋の内部に入って収納や間取りを目で確認ができるのです。
今回は、内覧前に知っておくことで内覧を有意義なものにするだけでなく、その後の売買契約も有利に進められるようになるポイントを紹介します。
「内覧」の第一目的は「下見」ではない
初めて中古マンションを買う人は、内覧の目的を「物件の下見」たった一つだと思っているかもしれません。
しかし「内覧」には下見以上に大切な目的が隠されているのです。
売り手との関係を良好にしてくること
まず「売り手との関係を良好にしてくること」が第一目的になります。
中古マンションということは、必ず「現在の持ち主」がいるはずです。
内覧のときに現在の持ち主と会うことができればラッキーでしょう。
なぜならば、現在の持ち主は物件の値段を決める本人だからです。
売り手と買い手がいると、つい買い手の方が「お客様」であり、立場が上のような気がします。
しかし中古マンションの場合は、買い手が複数人出てくることも多く、一概に買い手が上ということもないのです。
誰に売るかは現在の持ち主が決定する
似たような値段で交渉された場合、最終的に誰に売るかは売り手である「現在の持ち主」が決定します。
「多少値段が安くなっても心象が良かった人に売りたい」と思っている売り手は意外と多いのです。
売り手と良いコミュニケーションを
内覧のときには、売り手とできるだけコミュニケーションをとり、良い心象を残してくるといいでしょう。
内気な人は、物件について質問したいときに直接売り手と話をせず、いちいち不動産担当者を介して話をしがちです。
売り手も人間です。
自分と直接話をせず、不動産担当者を通訳のようにして話を続けていると心象は悪くなってしまうかもしれません。
会話の合間に言葉をいれるだけでも良い印象に
会話の合間に「きれいに使われていたのですね」「素敵な家具ですね」など、相手を気遣う言葉を入れてみるといいでしょう。
「内覧」のときには不動産担当者も知りえない情報を聞いてくる
内覧のときは、直接住民から話しが聞けるチャンスです。
中古マンションということは、築年数が経っているため、住民間で人間関係やマンション独自の行事が出来上がっています。
不動産担当者から得られる情報は、物件に関する情報に限られているため、紙面には出てこない情報は把握していないことが多いのです。
内覧のときには、住民しか知りえない情報を聞いてくるようにしましょう。
聞いておきたい質問
聞いておきたい質問は「住民の特徴」や「マンション施設の利用度」「周辺環境について」です。
住民の特徴
「住民の特徴」とは、住民の年齢層や単身数や生活リズムなどです。
For Example 、間取りがワンルームとファミリータイプが混ざっているマンションの場合、住民の年齢や生活リズムがバラバラになっていることがあります。
購入候補の物件の真上がワンルームになっている場合は、昼は留守で静かですが、夜は生活音が気になることもあるのです。
逆に、自分が単身者の場合はマンション独自の行事について確認しておくといいでしょう。
ファミリー世帯が多いマンションでは、マンションだけで一つの自治会があり、年中行事を企画していることも多いのです。
マンションによっては、正月は餅つき、ハロウィンには子どもたちが仮装して共有部分を歩き回る可能性もあります。
単身者の中には「ひとりの静かな生活を夢見ていたのに、休日になるととても賑やかで休みにくい」と感じる人もいるでしょう。
マンション独自の行事や係は、不動産担当者もすべてを把握していないことが多いため、内覧のときに住民に確認してくることをおすすめします。
マンション施設の利用度
「マンション施設の利用度」とは、大規模マンションほど要確認項目です。
For Example 、子育て世帯の人ならば中庭があるマンションを好むかもしれません。
BUT 中庭で子どもが遊べるとは限らないのです。
中庭が隣の一戸建て住宅と接している場合、騒音が問題になることがあります。
子どもの声については、心地いいと感じる人がいる一方、騒音と感じる人もいるのです。
周辺住民とマンションとの関係によって、いい声と感じられているのか、騒音と感じられているのか変わってきます。
中庭があっても形だけで、実際は使われていないことも多いのです。
また、共有施設としてホールがあることもあります。「私はホールを使ってヨガ教室を開きたい」と思っていても、マンションによっては「営利目的での使用を禁止」と規定されていることもあるのです。
周辺環境について
「周辺環境について」は、最寄りの駅から物件までの道のりや治安面を指します。
また、通勤や通学で公共交通機関を使う人は、混雑具合についても聞いてくるといいでしょう。
「内覧」は昼間がおすすめ
内覧をする時間帯は非常に大切なポイントです。
夜にはわからないことがある
仕事をしている人や昼間に時間が取れない人は、日が落ちてから内覧をもあります。
BUT 日が落ちて暗くなってしまうと、物件の外の景色を確認ができないのです。
また、蛍光灯の下でみる室内と日光がサンサンと入っている室内とでは印象が違います。
「間接照明でぼんやりと見たときには気づかなかったけれど、太陽の光が当たってみると壁の汚れがひどかった」という話はよくあることです。
内覧をするときには、できるだけ室内がはっきりと見える昼間を選ぶようにしましょう。
なるべく早く決断
内覧を終えたら、できるだけ早く買うか買わないかを決めたほうがいいでしょう。
内覧の現場に立ち会った直後は、売り手側も売る雰囲気にのまれているものです。
そういう意味では、価格交渉も内覧直後が一番やりやすいタイミングかもしれません。
まとめ
「内覧」は中古マンション購入の最大の山場だと思って3つのポイントをしっかりとおさえて臨みましょう。